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2023.08.30

日本橋でワクワクする夏休みの思い出を。地域の取り組みを次世代に繋ぐ「日本橋 キッズサマーキャンプ 2023」レポート

日本橋でワクワクする夏休みの思い出を。地域の取り組みを次世代に繋ぐ「日本橋 キッズサマーキャンプ 2023」レポート

老舗店から大企業まで、幅広いビジネスの拠点となっている日本橋。そんな日本橋の店舗や企業が中心となり、地域貢献・次世代教育を目的としたイベント「日本橋 キッズサマーキャンプ 2023」が開催されました。小学生とその保護者が参加する本イベントでは、ものづくりや職業体験など様々なワークショップが展開され、夏休み中の子供たちが様々な課題に挑戦。今回は2023年8月4日(金)〜6日(日)の3日間で開催されたワークショップの一部をご紹介します。

13の企業・団体による個性豊かなワークショップ

これまでも持続可能な社会づくりを掲げ様々な取り組みを実施してきた日本橋。2023年の夏は「ECO EDO日本橋 2023~めぐり、つなげる、江戸の知恵~」と題し、日本橋・八重洲・京橋ので様々なイベントが開催されています。(会期は9月3日(日)まで)
https://www.nihonbashi-tokyo.jp/ecoedo/

このうち、「日本橋 キッズサマーキャンプ 2023」は日本橋の企業やお店が取り組むSDGsについて子供たちが楽しみながら学べるイベントとして企画されたもの。日本橋に拠点を持つ13の企業や団体が、自社の空間やサービスを使ってお仕事体験やものづくりなどのワークショップを展開しました。一流ホテルでのお仕事体験や、普段は立ち入ることができない場所の見学などは、子供たちにとっても貴重な夏休みの思い出になったようです。

ホテリエ体験/マンダリン オリエンタル 東京

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マンダリン オリエンタル 東京のスパで一流のアロマセラピーを体験

室町エリアにて営業する5つ星ホテル、マンダリン オリエンタル 東京で開催されたのはホテリエ体験のワークショップ。
ゲストの快適なステイを支える幅広いお仕事の中から今回は「タオルアート」「ベッドメイキング」「ハンドマッサージと呼吸法」の3つを選んで学ぶことができました。

「タオルアート」はゲストルームに彩りを添えるタオルの折り方を学ぶクラス。
自宅でもできるかわいい動物モチーフの折り方を練習しました。「ベッドメイキング」ではぐっすり眠れるふかふかのベッドを仕上げる方法を学びます。美しい見た目と心地よい睡眠を両立するベッドメイキングの極意を、プロから教わりました。

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普段は大人しか入れないスパ空間で、五つ星ホテルのサービスを学びます

そして「ハンドマッサージと呼吸法」ではホテル内のスパ、“ザ・スパ・アット・マンダリン・オリエンタル・東京”で実施されているアロマセラピーを、施術する側として体験します。
会場はホテルの37階にあるラグジュアリーなスパ空間。通常、ゲストとしてスパを利用できるのは16歳からなので、小学生にとっては足を踏み入れること自体がとても貴重な機会です。

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講師の山崎さんにハンドマッサージを教わる子供たち

講師を務めるのはスパ&ウェルネス アシスタントディレクターの山崎さんです。
まず空間を浄化するとされるチベットの仏具「ティンシャ」を鳴らし、みんなでリラックス。ティンシャの音が響くのを体で感じてもらい、実際に子供たちも鳴らしてみます。

アロマテラピーで大切なのは、その人の好みやコンディションに合わせたアロマオイル選びです。山崎さんの「どんな香りが好き?」という質問には多くの子供たちがメロンやスイカ、ぶどうといった果物の香りを挙げましたが、実際にスパでは柑橘系のアロマがよく使われるとのこと。
続いてアロマスプレーを使ってラベンダーやゼラニウム、イランイランなどのアロマを嗅ぎ、効能について学びます。アロマの効果は鼻や口から吸い込むだけでなく、肌からの浸透によっても全身に作用していきます。

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いろいろな香りとその効能を、実際に嗅ぎながら学んでいきます

手の甲にブレンドオイルを垂らして香りを当てたり、2種のうち好きな方を選んだりと、自分の五感をフルに使う体験とあって子供たちはみんな真剣そのもの。参加者は低学年〜中学年が多い印象でしたが、みんな一生懸命に講師の声に耳を傾けます。

香りについての基礎知識がついたら、今度は実践へ移ります。山崎さんが保護者の手を使って披露したハンドマッサージのデモンストレーションに続き、今度は参加者の子供同士でマッサージを試してみます。子供たちからは「ちょっと痛い」「リラックスして寝ちゃいそう……」「勉強の合間にもできそう」など、様々な感想が上がりました。

そしていよいよ子供から保護者へのマッサージに挑戦。手の甲にオイルを垂らし、保護者に好きな香りを選んでもらった後、丁寧に手をマッサージします。マッサージを受けた保護者の皆さんもとても嬉しそうで、子供の成長を実感する一幕となったようです。ある参加者のお父さんからは「最高でした。帰ってママにもやってあげようね」という声が聞かれました。

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習ったハンドマッサージを保護者に披露。家でもできるかな?

最後はみんなで目を閉じ、ゆっくりと深呼吸をして終了。参加者にはお土産としてバスオイルがプレゼントされました。今回学んだ五つ星ホテルで提供されている癒しの技術は、家族とのコミュニケーションにも役立ちそうですね。

親子で銀行わくわく探検隊!/三井住友信託銀行 株式会社

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銀行探検ツアー、まずはお金の知識を学ぶ座学からスタート

三井住友信託銀行が提供するのは、銀行探検ツアー。お金にまつわるワークショップということで、小学生の中でも中学年〜高学年の子供たちが多く参加していました。

まずは座学で銀行とお金について勉強。「今欲しいものはある?」「それがお小遣いで買えない場合はどうする?」という身近な観点でお金の増やし方や使い方について考えるところからスタート。貯蓄や投資とは何か、お金のプロが小学生にもわかりやすく解説してくれました。

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国の重要文化財にも指定されている歴史的建造物をじっくり見学

座学の後は三井本館へ探検ツアーに出発!1929年に完成した三井本館は、現在の貨幣価値で約1000億円を投じて作られた建物で、国の重要文化財にも指定されている建物です。ローマ風のコリント式大オーダー列柱とアメリカの新古典主義的が折衷したデザイン、大理石をふんだんに使用した贅沢な内装は芸術品としての価値も認められています。参加者は建物の中を巡りながら、日本橋のビル街の中で一際存在感を放つ建物の歴史について、熱心に耳を傾けていました。

ツアーの見どころの一つは、地下一階にある大貸金庫です。分厚く巨大な鋼鉄の扉の存在感に、同伴の保護者からも思わず「おお〜」という声が上がる迫力!扉の総重量は50トンあり、その堅牢さは東洋一とも言われるほどだそうです。ワークショップ参加者はこの金庫の中に入るという貴重な体験もできました。

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東洋一とも言われる金庫の前で記念撮影!左の扉は総重量なんと50トンの鋼鉄製

他にも三井本館にはたくさんの見どころがあるのですが、特に子供たちに好評だったのは「1億円を持ってみよう」や「隠し扉探し」「紙幣をかぞえること」といった体験。1億円の重さはケースを含めてなんと11kg!小学生の腕力では持ち運ぶのはちょっと難しそうですね。

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1億円の重さを体験!そう簡単には盗めない?!重さです

「お札数え」は金融業界では「札勘(サツカン)」と言い、両手で素早く正確に数える銀行業務の一つ。紙幣の束を縦方向に持って数える「縦勘」と、紙幣を扇状に広げて数える「横勘」があり、2つのやり方を実践してみます。なかなかお手本のようにはいきませんが、自分で手を動かす課題にみんな楽しそうに取り組んでいました。

隠し扉は社長室のどこかに設置されています。当時は情勢が不安定であり、事件が多発していたことを受け、初代社長は社長室に隠し扉を作り、その中に護身用の銃を保管していたという逸話も。しかし子供たちにとっては、隠し扉というのはわくわくするキーワードです。

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重厚な作りの社長室はどこかに隠し扉が……

なかなか立ち入る機会のない銀行の内部。この日は銀行窓口などの一般業務は休業日だったため、子供たちはのびのびと探検ツアーを満喫できました。重要文化財に指定されているだけあってフォトスポットも多く、思い出の写真もたくさん残せたようです。

その他の多彩なワークショップたち

他にも期間中は日本橋で様々なワークショップが開催されました。
老舗の鰹節専門店「にんべん」では鰹節の作り方や削り方を学ぶ「鰹節教室」を開催。一般社団法人 宇宙美容機構による「宇宙から学ぶSDGsと暮らし」は、近年宇宙開発に関するベンチャーが集うことで注目を集める日本橋ならではの企画でした。

また、日本橋に本店を置く果物販売の老舗、千疋屋総本店では「季節の果物サンプリング配布と販売」を実施。子供たちが実際に1階のメインストアの店頭に立ち、道行く人に季節の果物のサンプルをお渡ししたり、販売のお仕事を体験したりしました。

この日配ったのはシャインマスカット。千疋屋オリジナルの法被を借りた子供たちは少し緊張していたものの、立派に接客のお仕事を務めていました。

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千疋屋総本店では来店したお客様に旬の果物のサンプルをお渡し(画像提供:千疋屋総本店)

さらに、近年クリエイターが多く集まる日本橋の東エリアからは株式会社コネルが参加。「お菓子を使ったボードゲームクリエイターになろう」という、ちょっとユニークな体験も。お菓子・ゲームシート・スマホアプリを組み合わせて新しい遊びを考える、楽しみながらクリエイティブな思考力を身につけるプログラムが提供されていました。

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箱の中に入ったお菓子をコマにするか、それともパーツにするか、使い方を決めるのは子供次第。デジタルネイティブ世代ならではのユニークなに遊びがたくさん生まれていました。(編集部撮影)

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