Interview
2023.09.27

先端技術を日常の暮らしに。東レグループのD2Cプロジェクト「MOONRAKERS」がユーザーと創造する「ミライの生活」

先端技術を日常の暮らしに。東レグループのD2Cプロジェクト「MOONRAKERS」がユーザーと創造する「ミライの生活」

JAXAと東レが共同開発した宇宙技術を搭載し、吸汗速乾、汗ジミ防止、消臭、抗菌、UVカットなど、“過剰なほどの機能性”を持つ「無敵のTシャツ」として注目を集めている「MOON-TECH®」をご存知でしょうか。クラウドファンディングでシリーズ累計8000万円を超える支援を集め、酷暑が続いたこの夏には欠品状態となったこのヒット商品を生み出したのは、日本橋に拠点を置く繊維メーカー・東レグループのD2C事業として2021年にスタートしたプロジェクト「MOONRAKERS(ムーンレイカーズ)」です。 最新の先端技術と日常生活をダイレクトにつなぎ、「快適で便利で美しい“ミライの生活”」の創造を目指すプロジェクトの代表を務める西田誠氏に、取り組みの背景にある思いや日本橋の街との関わりなどについて伺いました。

先端素材と消費者をつなぐプロジェクト

ーMOONRAKERSはどのようにして生まれたプロジェクトなのですか?

まず前提として、この10~20年の間で社会が多様化し、人々の価値観が変化してきたというのがありました。ファッションの世界でも、2000年代頃まではみんなと同じものを着ていることで安心できた時代でしたが、近年はスタイルが多様化してきています。我々東レグループにおいても、これまではトレンドや売れ筋を追っていれば自分たちが求められるものを読み取れたのですが、最近はそれがわからなくなってきていました。そうした時代の中で、ユーザーの声を直接聞き、素材開発の精度や速度を高めていきたいというところから立ち上がったプロジェクトがMOONRAKERSでした。

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インタビューに対応してくれたのは、東レグループのディプロモード株式会社で、MOONRAKERSプロジェクトをリードする西田 誠さん。

ー繊維メーカーとしての東レは、アパレル企業などいわゆるBtoBのビジネスが中心だったわけですよね。

はい。東レグループでは、糸や生地などの素材づくりから始まり、縫製までサプライチェーンを拡げることで業績を伸ばしてきましたが、先端技術商品をより早く市場に提供し、消費者とのダイレクトなやりとりを通じて見えにくくなったニーズを掴もうというのがMOONRAKERSのチャレンジです。
通常、ファッションビジネスにおいて、新素材が開発されてから市場に商品が並び、ユーザーに使っていただくまでに平均2年程度がかかります。しかしMOONRAKERSは、新技術を用いた素材を自分たちで製品化し、クラウドファンディングなどの仕組みを使ってダイレクトに消費者に提供することで、平均半年程度でユーザーに製品をお届けします。ユーザーに対して「こういう商品ってどうでしょう?」というテストマーケティング的な役割ですね。評判が良ければその反応をベースにビジネス拡大のスピードを上げられますし、仮に反応が芳しくない場合もフィードバックがすぐに得られることで改善に向けた開発を迅速に実行できる。通常2年かかっていた工程を半年でできるということは、開発を4倍速化しているとも言えます。

ーJAXAと東レが共同開発した、宇宙技術を搭載した素材「MOON-TECH®」を用いたTシャツは、品薄状態になるほど大きな反響を集めていますね。

昨年5月のローンチよりわずか1年強ですが、クラウドファンディングだけで「MOON-TECH®」シリーズの累計売上は8000万円を超えています。ECでの販売も加えると優に1億円を超える売上となっており、自分たち自身が驚くようなスピードで反響が広がっています。新商品やコラボレーションを発表するたびに予想を超える反響があり、急速にファンを増やせている実感があります。
「MOON-TECH®」は吸汗速乾、ストレッチ、UVカット、汗ジミ防止、消臭などさまざまな機能を持つ素材なのですが、自分たちの想像以上にさまざまなシーンでご愛用頂いている感じです。
例えば、ある調査では日本人の20人に一人くらいは多汗症だとされていて、汗に悩む方々は実は非常に多いのですが、そういった方より「臭いや汗ジミで周りの人を不快にしていないかと悩んでいましたが、人生が変わりました!」といったお言葉をいただいたりしています。また、「こういう良いことばかり謳われてる製品で初めて良いものに巡り合えました」、「丈夫で臭いも汚れも寄せ付けず、無敵感がすごい!」、「もうこれしか着ません笑」といったお言葉も寄せられており、なにせユーザーの熱量が凄い。自分たちも負けない熱量で応えなければと感じています。

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東レの先端素材「フィールドセンサー®EX」をベースに、長期間の閉鎖された環境である宇宙ステーションでの快適な生活のためにJAXAと東レが共同開発した宇宙技術が搭載された素材「MOON-TECH®」を用いたTシャツ。(画像提供:MOONRAKERS)

「伝え方」の変化がブレイクスルーに

ー最新の先端技術を製品に落とし込み消費者に届けていく上で、大切にしていることを教えてください。

従来の開発はモノが出来上がったら開発完了、という意識が強かったと感じています。しかし実際には、ユーザーに知っていただき、使っていただき、評価いただいて初めて開発完了ですよね。D2C事業に取り組むことで、そこをしっかり意識できるようになったことが大きいと感じています。自分たちもそうですが、日本のメーカーには良いものをつくっていれば誰かが見つけてくれるだろうというマインドがいまも根強くあります。職人気質というか。でも、ものづくりにかける情熱と同じくらいの熱量で「伝えること」にも力を入れることが大切なのではないでしょうか。
MOONRAKERSのクラウドファンディングのページは長いことで有名なのですが (笑)、それだけ我々には「モノづくり」にかけた想いがあり、伝えたい情報があるんです。ただ、最初はそれを上手く伝えることができずとても苦労しました。それらがお客様に届くようになってきたのは最近のことなんです。

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2022年に実施した「MOON-TECH®」Tシャツのクラウドファンディングでは、905人の支援によって9,065,969円の資金を集めることができた。(画像提供:MOONRAKERS)

ー何かきっかけがあったのですか?

現在、MOONRAKERSで最も売れているのはTシャツなのですが、実はTシャツは継続的にテストマーケティングを実施してきたアイテムです。しかし、前年、前々年はブレイクに至らず、素材をアップデートした昨年の「MOON-TECH®」でようやくブレイクしました。3度目の正直ですね(笑)。商品はもちろん毎年バージョンアップしていましたが、実はベースとなる機能面は大きく変わったわけではなく、大きく変えたのは「伝え方」です。
1、2回目はそれこそ機能面など「これすごいでしょ!」という作り手自慢のアピールでした。しかしそれではユーザーには伝わりません。ユーザー目線で「この商品が生活をどのように変えてくれるのか?」という疑問に答えるようにしたことで反応が変わりました。伝え方でこれだけ変わるということは、わたしたちにとって本当に驚きでしたね。もちろん、伝えて響く内容がそもそも商品に備わっているのが前提条件ではあるのですが。

ーMOONRAKERSでは、「快適で便利で美しい “ミライの生活”」を提供することを掲げていますね。

はい。「ミライの生活」を語る上で大切なのは、ユーザーとともにつくっていく姿勢だと考えています。もちろん、自分たちなりにイメージしている「ミライの生活」がないわけではありませんが、ユーザーに気づかせて頂くことが非常に多いんです。
実はこの夏にお客様から「MOON-TECH®」のVネックTシャツをつくってほしいとリクエストがあったんです。「冬にインナーとして着たいので早く開発して!」と言われて慌てて開発に取りかかりました(笑)。VネックTシャツは夏場にアウターとして使えるだけでなく、秋冬にはスッキリ見えるインナーとしても便利なアイテムなんだと。
ご要望に応えて急いでプロジェクトをローンチしたらわずか1週間程度で1000人を超える方々に購入いただき、1000万円以上の売上を達成しました。応援していただいたみなさんの熱量も高く、改めてユーザーの「声」ってほんと凄いなと感じています。
一般的なアパレルブランドは商品企画にユーザーが関わることはないと思いますが、MOONRAKERSではお客様から要望があったものはできるだけつくるようにしています。基本的にベーシックなアイテムしかつくっていないからこそ実現できる面もありますが、こうしたユーザーとの双方向のやり取りを通じて、「ミライの生活」というものが明確な形として現れてきているような感覚がありますね。

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2023年にリリースされた「MOON-TECH®4D POCKET TEE」は、宇宙飛行士の船内活動着にも採用された「4D動体パターン」仕様で縫製されている。極限の環境で実証された機能性で、日常生活の快適性と利便性を圧倒的に向上させる「快適の、限界を超える」ことをテーマにした商品。(画像提供:MOONRAKERS)

ユーザーファーストを徹底する服づくり

ー消費者の声を一方的に吸い上げるだけでなく、双方向のコミュニケーションを通じてMOONRAKERSが実現したい未来が具現化されつつあるのですね。

そうですね。もうひとつの象徴的な例になりますが、「MOON-TECH®」が現在打ち出している12の機能というのも、ユーザーとのやり取りを通して数が増えた経緯があるんです。東レではJAXAとともに長期間閉鎖された宇宙ステーションの中でも快適な生活を送るための宇宙技術を共同開発していたのですが、実はその技術には「消臭」と「防汚」の2種類があったんです。コスト的に考えると「消臭」だけに絞っても良いかなとも思ったのですが、「Tシャツを捨てる理由は黄ばみ」というユーザーの意見があって、その原因は皮脂だと。JAXAと東レが共同開発した「防汚」技術はしつこい皮脂も洗濯で簡単に除去できるという特性があったので、じゃあそれも搭載しようと。
実際にリリースした後にユーザーの方から、「MOON-TECH®は汚れもすぐ落ちて黄ばみも少なくて無敵感が凄い!」というフィードバックを頂いた時は嬉しかったですね。
最近ではその言葉をいただいてキャッチフレーズも「無敵のTシャツ」にしています(笑)。ユーザーの声がきっかけで自分たちが目を向けていなかった技術を搭載し、それを元にユーザーがキャッチフレーズまでつくってくれる。開発だけでなく、マーケティングもユーザーと一緒に進めている感覚です。

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世界トップクラスのクオリティを誇る日本の繊維製造技術と日常の生活をつなげることを目指すMOONRAKERSでは、東レグループ各企業や日本の繊維有力企業メンバーと連携し、生地、縫製どちらにおいてもできる限りメイドインジャパンにこだわったものづくりを進めている。(画像提供:MOONRAKERS)

ーMOONRAKERSでは、「MOON-TECH®」以外にもさまざまな先端素材を用いていますが、これらはもともと東レが開発していた素材であることが多いのですか?

ベース技術はもちろんそこにあります。ただ、MOONRAKERSではその技術をそのまま使うことは少なく、東レ内の複数の技術を複合させたり、東レ以外の企業の技術と組み合わせることでオリジナルの素材開発を行うことがほとんどです。
しかし、コアとなるベースはあくまで東レの先端技術開発力です。手前味噌ですが、東レは数十年の長きにわたり毎年新しい素材を開発し続けるという「異次元の開発力」を持つ企業です。特に「NANODESIGN®(ナノデザイン®)」(東レが開発した革新的な複合紡糸技術。繊維の細さや形を、ナノレベルで制御することで、今まで不可能だった機能・質感を持った、まったく新しい繊維を創り出すことを可能としている)というエポックメイキングな技術が数年前に開発されたことによって、いまでは技術的にはつくれない素材はないのでは? と感じるほどです。加えて再生素材やバイオ素材の開発もここにきて急速に進んでいます。ただ、ここまで来てしまうと、逆に何をつくればいいのかわからないという現象が起こり、だからこそ、MOONRAKERSでは一人ひとりのユーザーから声をいただき、本当に求められているもの、「ミライの生活」を創る商品を、素材からオリジナルでつくっていくことにこだわっているんです

ーユーザーの声に聞くということをここまで徹底しているブランドはなかなかないように感じます。

例えば、お客様からの個別の問い合わせに対する返答はできるだけ詳細に肉厚にと心がけており、ほかのアパレルブランドの方から言わせると「常識外れの過剰さ」のようです(笑)。
もともと自分たちの目的がユーザーの「声」を聴くことにあり、加えて小売りの経験がなかったからこそユーザー目線に徹することができているのだと思うのですが、モノの購買だけに終わらない体験に価値を感じてくださっているユーザーは少なくないように感じています。「防汚」機能の搭載によるユーザー評価の向上や「Vネック」のヒットからも明確なように、ユーザーの声をいただけるのは本当に貴重です。もちろん一丁目一番地は先端技術を搭載した「いままでにない商品」の開発ですが、今後もそれと同じくらいユーザーの声を聞くことに情熱を注いでいきたいですね。

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レザーの弱点である重さや水への弱さなどを解消し、従来の人工レザーの数倍の持続可能性も併せ持つ革新的なヴィーガンレザー素材「キマイラ スキン®」を用いたコート。(画像提供:MOONRAKERS)

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最新の先端素材「KARUISHI®(カルイシ)AR」を使用し、空気を究極まで取り込み、究極のあたたかさ、軽さを実現する「Airfreak®(エアフリーク®)」パーカー。(画像提供:MOONRAKERS)

日本橋から衣服のあり方を革新する

ーMOONRAKERSをはじめ、東レグループが拠点を置く日本橋の街に対してはどんな思いがありますか?

東レは、三越を源流とする三井グループの一員として創業し、それ以来日本橋の街とともに発展してきた歴史があります。そういう意味では日本橋はわたしたちの源流であり、故郷とも言えます。日本橋には老舗企業が多いですが、老舗というのは伝統を大切にしながら常に革新性を追求し続けてきたことで現代まで残ってこられたところがあると思うし、それは我々のアイデンティティとも通じるものです。日本橋の街は時代とともに姿を変え、現在では老舗の飲食店から宇宙産業のスタートアップまでさまざまな事業者が混在していますが、時代の文脈に合わせて革新的な取り組みをしている企業が多いですし、東レグループの生まれ素性の部分だけでなく、MOONRAKERSというプロジェクトのあり方とも親和性が高い街だと感じています。

ー以前にブリジンで取材したSynfluxやカポックノット(※現在は店舗を渋谷に移転)など、日本橋にはファッション領域においても新しいチャレンジをしている企業が目立っているように感じます。

(関連記事:商人と問屋の街からファッションを更新する。Synfluxとカポックノットが考える持続可能なアパレル産業のあり方とは?

そうですね。東京のファッショントレンドは、青山や代官山、渋谷など西側から発信されるイメージが強いですが、我々が取り組んでいきたいのは、トレンドに左右されないベーシックを追求しながら、これまでの衣服のあり方自体を変えることです。
昨今のファッションは、大量廃棄や人権意識を欠いた労働環境などが問題視されていますが、我々としてはこれらの課題と向き合った透明性の高いものづくりを通して、長く使い続けられる製品をつくっていきたいと考えています。こうした部分へのユーザーの期待値も感じていますし、新しい衣服のあり方を提案することから共感の輪を広げていける感覚があります。
長い間人々の生活を支え続けてきた衣服のあり方に革新性をもたらす取り組みを、歴史と革新性が同居する街であるここ日本橋から発信することの必然性を感じています。

ー日本橋室町に置かれているショールームについても聞かせて下さい。

昨今アパレル業界のスタートアップには製品を自社ECのみで販売するD2Cブランドも多いですが、MOONRAKERSでは直接製品に触れて頂く場の必要性を感じていたため、初期段階からショールームを設けていました。リアルの場があることはユーザー接点としても非常に大きいと考えており、近隣の方が覗きに来てくれたり、宣伝をしてくれることもあります。こうしたリアル、街との接点は非常に重要だと感じています。東レグループは長らく日本橋に拠点を置き、社員たちが毎日に通う場所でありながら、街とのつながりは意外と薄かったのではないかと個人的に感じていました。だからこそ、MOONRAKERSを通して街とのリアルな接点が持てることはグループ全体にとっても大きな意味があるはずですし、企業と街との距離を縮めることに貢献できるのではないかと考えています。

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MOONRAKERSの商品に直接触れることができる東京日本橋ショールーム。スタッフが要望に応じて、アイテムの紹介やスタイリングの提案をしてくれる。営業時間は、金曜から日曜の12:00~18:00。

コラボレーションで街を盛り上げる

ー日本橋で行われたイベントのスタッフユニフォームにTシャツを提供するなど、すでに地域での取り組みも進められていますが、今後日本橋で実現したいことなどがあれば教えてください。

日本橋でさまざまな事業を営んでいる方たちとコラボレーションができるといいですね。先日、人気漫画『宇宙兄弟』とのコラボレーションで宇宙技術も搭載した「MOON-TECH®」を用いたアイテムをつくったのですが、宇宙兄弟のファンの方から熱狂的に受け入れていただきました。単なるキャラクターコラボではない「ホンモノ感」がポイントだったようです。
また、JAXAさんとも同様に様々な協力を行っていますが、宇宙飛行士のレプリカユニフォームをショールームで展示したり、双方のファンにとても喜んで頂く取り組みが実施できました。
やはり重要なのはコラボレーションの文脈ですよね。そのためにはお互いをより知っていく必要があります。今後は日本橋のあらゆる企業と交流を深めさせていただき、同様の熱量の高いコラボレーションを街の中で実現できるといいなと思っています。

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累計販売部数3100万部を超える人気漫画『宇宙兄弟』とのコラボレーションによって生まれた「MOONWORKER Tシャツ」。宇宙技術搭載素材に主人公・ムッタの言葉「ちょっとだけ無理なことに挑戦してこーぜ」の英文や、月と地球の上で固く握手を交わすロゴマークなどがあしらわれている。(画像提供:MOONRAKERS)

ー先ほどお話し頂いたように、日本橋に拠点を置きながら、地域との関わり方に課題感を持っている企業は少なくないように思います。そうした中で地域内でのコラボレーションは、街とのつながりをつくる一つのきっかけにもなりそうです。

そうですよね。そもそも東レのような素材メーカーは、事業そのものがコラボレーションとも言えるんです。そのためコラボレーションには慣れていますし、もし東レは敷居が高いと考えている方がいるなら、MOONRAKERSは敷居が低くて常にオープンマインドですよとお伝えしたいですね(笑)。
今後も地域や業種を超えた色々なコラボレーションをしていきたいと考えていて、いまはまだ発表できないのですが、通常では接点がないような業種とのコラボレーションの話も進めているところです。こうしたコラボレーションというのは、何かのご縁で繋がった方とお互いの課題感などを話し合う中で生まれるものなんですよね。それこそ日本橋の老舗の方たちとも一緒に食事をし、お酒を酌み交わしながら色々な会話をする中で新しいものが生まれるかもしれないですね。

ー日本橋には新旧問わず多様なプレイヤーがいるからこそ、コラボレーションのポテンシャルは大きいように感じます。

本当にそう思います。日本橋には伝統的なものづくりをしている老舗も多いですし、職人の方たちの匠の技と東レの先端技術が組み合わさったら面白いかもしれません。企業や個人のスタンスによって何を面白いと感じるかは異なると思いますが、一度話をしてみたら興味を持ってくれる方も少なからずいるはずです。もちろん宇宙関連などはすでにJAXAとの取り組みで相性も証明されており、どんどん進めたいです。加えて、いままで日本橋には少なかったファッション企業と日本橋の街とのコラボレーションのきっかけになるような仕組みづくりもしていきたいと考えていて、いまあるショールームも交流の拠点のような形にできないかと考えたりもしています。アイデアは無限です(笑)。

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日本橋の夏恒例イベント「ECO EDO日本橋2023」では、「MOON-TECH🄬」Tシャツがスタッフウェアとして提供され、猛暑の中でも活動するスタッフをサポートした。(画像提供:三井不動産ビルマネジメント)

取材・文:原田優輝(Qonversations)  撮影:岡村大輔

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