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2022.12.08

今年も3チームの参加が決定!! 日本橋の内外にさまざまなつながりを育む食みやげプロジェクト「第2回つなぎふと」チーム紹介

今年も3チームの参加が決定!! 日本橋の内外にさまざまなつながりを育む食みやげプロジェクト「第2回つなぎふと」チーム紹介

「日本橋の新しい食みやげ」をテーマに、日本橋内外の事業者たちが共創するコラボレーションプロジェクト「つなぎふと」。前回の記事では、2年目のスタートを告げるキックオフイベントの模様をお伝えしましたが、いよいよ今年度のつなぎふとに参加する3組のチームが決定しました。すでに各チームの顔合わせとなるキックオフミーティングが行われ、さまざまなアイデアが交わされるなど、それぞれのチャレンジがスタートしています。今回の記事では、今年度のつなぎふとに参加する3チームの顔ぶれや各キックオフミーティングの様子、本年度のつなぎふとのポイントなどをご紹介します。

地域の内外をつなぐ新しい食みやげ

日本橋のおみやげのあり方やこれからの可能性について、食事業者やワーカー、おみやげの目利きなどさまざまな立場から意見が交わされた8月のキックオフイベント。このイベントを開催した背景には、日本橋の食事業者はもちろんのこと、この街で働き、暮らすワーカーや住民、おみやげの売り場となり得る店舗など、つなぎふとに関わってくれる地域内外の仲間、サポーターを増やしたいという事務局側の思いがありました。
2年目のつなぎふとが目指しているのは、日本橋の新しい食みやげの開発を通じて、日本橋の内外にさまざまなつながりをつくり出すことです。地域の食事業者やワーカー、住民、さらには日本橋とご縁のある地域の方たちが持つさまざまな技術や発想、素材を“つなぐ”ことで、多くの人が愛着を持ち、誰かに伝えたり、渡したくなるような、この街を代表する新しい食みやげを皆で育てていきたいー。
そんなつなぎふとの理念や企画内容に賛同してくれた日本橋の事業者たちが今年のプロジェクトに参加してくれることとなり、昨年同様3組のコラボレーションが実現することになりました。日本橋を代表する老舗店から気鋭のシェフやパティシエ、さらにはホテル、百貨店まで、参加者たちの組織形態や規模、歴史、業種は多種多様。昨年に負けず劣らず多彩な面々が揃った各チームの顔ぶれについて紹介していきます。

(関連記事:「つなぎふと」2ndステージ始動。新たな仲間と出会うキックオフイベントリポート)

洋菓子で表現する街のつながり

Aチーム:日本橋三四四会 × Hiromi&Co.

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左からHiromi&Co.・浅井俊介さん、小山弘美さん、蛇の市本店・寳井英晴さん、高嶋家・鴛尾 明さん、和佳子さん。

Aチームは、日本橋料理飲食業組合の青年部「三四四会」と、2021年に日本橋大伝馬町にオープンしたスイーツカフェ「Hiromi&Co.」のコラボレーションです。老舗飲食店が点在する日本橋の街を象徴する団体と、フランス菓子が人気の新店という対照的な両者の顔合わせとなったキックオフミーティングでは、三四四会から会長を務める江戸前鮨の名店・蛇の市本店五代目の寳井英晴さん、老舗鰻屋・高嶋家の五代目の鴛尾 明、和佳子夫妻が、Hiromi&Co.からはシェフパティシエの小山弘美さんと、彼女のパートナーであり、お店のロゴやパッケージなどを手がけるデザイナーの浅井俊介さんが参加。弘美さんが事前に用意してくれていた試作や素材などを通じておみやげのイメージを共有するなど、初回のミーティングから活発な議論が行われました。

先日のキックオフイベントで、「お店の枠を超えた街のおみやげをつくりたい」と語ってくれた寳井さんの思いや、人と人のつながりを重んじてきた日本橋の街を象徴する三四四会の“らしさ”を、はたして弘美さんはどのようなスイーツに落とし込むのでしょうか。複数事業者による団体×個店というつなぎふと初のコラボレーションにぜひご期待下さい。

日本橋三四四会
1959年に日本橋料理飲食業組合の青年部として発足。三四四(みよし)会の名称はスタートの日時(昭和34年4月)ちなんだもの。東京・日本橋に根ざした活動を積み重ね、真摯に料理づくりに励むことで日本橋の味を守り、会員間の交流の輪を広げるとともに、地域活性にも取り組んでいる。

https://www.344.gr.jp

(関連記事:名店の料理人たちが“次世代の食材”と出会う。「つながる未来弁当」開発の舞台裏。)

Hiromi & Co.
フランス・パリで修行を積んだパティシエの小山弘美さんが、2021年2月に日本橋えびす通り沿いにオープンしたスイーツカフェ。焼き菓子を中心に、シュークリームやカヌレ、パウンドケーキ、タルト、プリンなど多彩な洋菓子がコーヒーとともに楽しめる。

https://hiromiandco.com/

同郷者でつくる新しい”地域みやげ”

Bチーム:平和どぶろく兜町醸造所 × La Paix

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Bチームでは、和歌山という共通項でつながった2者がタッグを組みます。平和どぶろく醸造所兜町は、日本酒「紀土」やリキュール「鶴梅」などで知られる和歌山の酒蔵「平和酒造」が、2022年6月に日本橋兜町にオープンしたどぶろくのブルワリーパブ。かたや、日本橋の人気フレンチレストラン「La Paix(ラペ)」の松本一平シェフも出身は和歌山で、過去に和歌山の素材にフォーカスしたイベントを行うなど、地元の生産者との強いつながりを持っています。和歌山出身者としてかねてから親交があったというラペの松本シェフと平和醸造の山本典正社長、さらにどぶろくの醸造を担当する宿南俊貴さんが参加したキックオフミーティングでは、地元・和歌山の食材の魅力や生産者への思いが語られ、さらに具体的などぶろくのレシピや販売方法などについても話し合われました。
松本シェフが考案するレシピのもと、和歌山産の素材を用いたどぶろくづくりにトライするCチーム。五街道の起点としてさまざまなヒト・モノ・コトをつないできた日本橋の地から郷土の魅力を発信するおみやげづくりを通じて、都市と地域の新しい関係構築に挑む注目のコラボレーションです。

平和どぶろく兜町醸造所
日本酒「紀土」やリキュール「鶴梅」シリーズで人気を博す平和酒造が日本橋兜町にオープンしたどぶろくのブルワリーパブ。その場で醸造したできたてのどぶろくを楽しめるほか、和歌山の名産品がバーフードとして提供される。

https://www.instagram.com/heiwadoburoku_kabutocho/

(関連記事:古来より伝わる“どぶろく”で、日本酒カルチャーに新しい風を。和歌山の老舗酒蔵が日本橋・兜町で取り組む新たな挑戦とは。)

La Paix
国内外で修業を積んだ松本一平シェフが2014年に日本橋でオープンしたフレンチレストラン。全国の生産者から届く本物の素材を使って、現代料理の軽やかさと古典料理の歴史を併せ持つ、日本らしい季節感に満ちたフランス料理を提供する。
https://lapaix-m.jp/

(関連記事:日本橋のレストランが橋渡し。 生産者とお客様をつなぐ料理に込められた想い。)

日本橋の未来を描く大型コラボ

Cチーム:日本橋三越本店 × マンダリン オリエンタル 東京

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Cチームでは、日本橋を代表する百貨店とホテルによる協働が実現します。呉服屋として日本橋で創業した三越は、来年で創業350周年を迎える日本を代表する百貨店。一方のマンダリン オリエンタル ホテル グループは、世界で最もラグジュアリーなホテル、リゾート、レジデンスを展開しているグローバルホテルグループで、日本では東京・日本橋に唯一のホテルを構えています。今回は、2016年に日本橋三越本店で始まった屋上養蜂「日本橋みつばち倶楽部」による蜂蜜を用いて、マンダリン オリエンタル 東京のヘッドベーカー中村友彦さんがオリジナルの食みやげを開発します。初回のミーティングでは、三越から日本橋本店マネージャーの中村栄二さん、食品バイヤーの西牟田桂介さん、マンダリン オリエンタル 東京からは料飲部 副支配人の加藤竜太さんが参加し、それぞれの日本橋との関わりやつなぎふとにかける思いなどについて話してくれました。
日本橋の緑多き未来を見据えてスタートしたという「日本橋みつばち倶楽部」による蜂蜜を、「立地する土地柄と文化に敬意を表するホテルづくり」を掲げるマンダリン オリエンタル 東京によるグローバルな感性で解釈する新しい“地産地消”のおみやげは、ローカルとグローバル、過去と未来をつなぐスケールの大きなものになりそうです。

日本橋三越本店
日本橋創業の呉服店を起源とする老舗百貨店で、江戸時代から日本橋の顔として長い歴史と伝統を持つ。「三越呉服店」へ改称した1904年にデパートメント宣言を行い、これが日本における百貨店の歴史の始まりとされている。
https://www.mistore.jp/store/nihombashi.html

マンダリン オリエンタル 東京
マンダリン オリエンタル ホテル グループの日本初のホテルとして、2005年に東京・日本橋に開業。館内には、充実した施設と数々の受賞歴を誇る直営スパや12の料飲施設などがある。グループの理念は、「立地する土地柄と文化に敬意を表するホテルづくり」。
https://www.mandarinoriental.com/ja/tokyo/nihonbashi

(関連記事:街とつながり“SENCE OF PLACE”を表現する。 マンダリン オリエンタル 東京のエグゼクティブシェフが見た、日本の食文化・日本橋の街。)

来春の完成に向けて開発がスタート

昨年同様、つなぎふとの商品は来年春に開催されるSAKURA FES NIHONBASHIで初お披露目となる予定。すでに各チームはお互いの技術や素材を活かし合える協業の形を探りながら、試作づくりに着手しています。

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日本橋ならではのつながりを体現するコラボレーション、日本橋と故郷をつなぐコラボレーション、街の「これまで」と「これから」をつなぐコラボレーションと、チームごとに異なるテーマやストーリーが垣間見える2年目のつなぎふと。多様なバックグラウンドを持つプレイヤーたちが、日本橋に対するそれぞれのイメージや思いを反映させた街の新しい食みやげが、どのような形に仕上がるのかいまから楽しみでなりません。
今年度のつなぎふとでは、定期的に開催する勉強会や意見交換会などを通じておみやげづくりに関する知識やノウハウを各チームで共有するとともに、チーム間の交流なども図っていく予定です。こうした一連のプロセスは、随時ブリジンのWebサイトやSNSなどで発信していきますので、2年目を迎えたつなぎふとの歩みにぜひご注目ください。

文:原田優輝(Qonversations)/撮影:岡村大輔

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